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Japanische Klassiker mit Furigana

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つゆのあとさき

つゆのあとさき

永井 荷風

Lesen Sie つゆのあとさき von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.725 Zeichen · 148 Bildschirme

Aozora Bunko

君江は手紙の意味を手短に言ってしまえば、清岡先生はわたしを二号同様にしていたために奥さんに逃げられたのだから、そのつもりでどうかしなければいけない。このまま知らない顔をしていれば、清岡先生はやけ半分、何か仕返しをしないとも限るまい。どうか、そういう事のないように気をつけてくれというような事になると考えた。そして随分訳のわからない無理な事を言う人だと腹立しい心持になった。

君江は暫くしてこの手紙は村岡の心から出たものではなく、内々清岡さんに言われて書いたものではないかと、気がついて見ると、あの晩西銀座の蕎麦屋へ這入りがけ、意外な処で村岡に出逢った時の様子から思合せて、自分が車から突落されたのも、事によると清岡さんの教唆から起った事かも知れない。君江は突然襟首に寒さを覚えるような恐怖と共に、ナニ、先が先ならこっちもこっちで負けているものか。どうでも勝手にするがいいというような心持になった。

あまりいつまでも同じところに立ってもいられないので、君江は考え考え見附を越えると、公園になっている四番町の土手際に出たまま、電燈の下のベンチを見付けて腰をかけた。