Japanische Klassiker mit Furigana
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ドナウげんりゅうこう
ドナウ源流行
斎藤 茂吉
Lesen Sie ドナウ源流行 (ドナウげんりゅうこう) von 斎藤 茂吉 (さいとうもきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.565 Zeichen · 44 Bildschirme
僕は小ごえで歌のようなものを歌った。何も彼も出まかせだが、ひとりでに覚えた浪花節のようなところもあった。
これやこの、知るも知らぬも逢坂の、行きかう人は近江路や、夜をうねの野に啼く鶴も、子を思うかと哀なり。番場、醒が井、柏原、不破の関屋は荒れはてて、ただ漏るものは秋の月。不破の関の板間に、月のもるこそやさしけれ。ありがたの利生や。おありがたの利生や。仏まいりの利生で、妻に行きあうたのう。悪しきを払うて助けたまえ、天理おうのみこと。ちよとはなし、神の云うこと聞いて呉れ、悪しきの事は云わんでな、この世の地と天とを形どりて、夫婦を拵えきたるでな、これはこの世の始だし。あしきを払うて助けせきこむ、一れつ済ましてかんろだい。山の中へと入り込んで、石も立木も見ておいた。これの石臼は挽かねど廻わる。風の車ならなおよかろ。み吉野の、吉野の鮎。鮎こそは。枕絵によくにしを鮎、おし鮎の口すうと人のかげごとぞうき。汗水を流して習う剣術の役にもたたぬ御代ぞめでたき。
何だか出任せであった。けれども、小さいこえでうたう浪花節の道行ぶりのようなところも一寸あったりして、妙に僕の心を落付かせた。