Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ドナウげんりゅうこう
ドナウ源流行
斎藤 茂吉
Lesen Sie ドナウ源流行 (ドナウげんりゅうこう) von 斎藤 茂吉 (さいとうもきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.565 Zeichen · 44 Bildschirme
八
小さい町の古びた食店で計らずも二十六七年前の世相を観たような気がして、秘かに僕は満足した。
僕はその食店に居るうち、案内書などを見ながら、今日の午前中の出来事を簡単に手帳に書きつけた。そうして稍疲れたような気もする、これからどうしようかと思った。
八
この上は一体どうなっているだろうか。自分は此処まで来て、ブレーゲがブリガッハに合し、そうしてドナウの源流を形づくるところを見て、僕の本望は遂げた。このさき、本流と看做すべきブリガッハに沿うて何処までも行くなら、川はだんだん細って行き、森深く縫って行って、谿川になり、それからは泉となり、苔の水となるだろう。そこまでは僕の目は届かぬ。僕は今夕此処を立たねばならぬ。こんなことを思って古びた食店を出た。
僕は時計を持っていたが弾機が途中でこわれて役に立たぬ。此の時計は目覚まし時計で、闇に見ると数字のところの光る様に作ったものである。そういう時計がはじめて日本に入りたてに、鉱山学の方をやっている友の呉れたものだが、奥山などに行くには是非必要だと云って呉れたのであった。その時計はだいぶ古くなって、神戸を出帆するとき神戸の時計店で弾機を直した。