Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
フレップ・トリップ
フレップ・トリップ
北原 白秋
Lesen Sie フレップ・トリップ von 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.698 Zeichen · 293 Bildschirme
中の一人は白髪に白髭である。
空は暗い。
波の音がする。
高麗丸の灯も近々と綴られてる、その沖に。
あ、ひらひらと何やら白いものが飛んでいる。
私は両耳に両手をあてる。
ほういほういと声がする。
と、巨大な奉迎門の黒い影、影、影、
正門と両側の小門。
あまりにシンメトリカルなその投影。
私たちは明るい反射光の中を通り抜ける。
緑の杉の葉のアーチには、鰊がいる。鮭がいる。眼が光る。腹が光る。口が暗い、尻尾が暗い。
昆布がある。烏賊がいる。荒布が靡き、大きな朱色の蟹が匍い、貝が光る。
暗い、青い、赤い。
凡ては本斗の海産物で装飾したその奉迎門は、確かに思いつきであった。
私は脚柱の一つに耳を当てる。
韃靼海の深い、遠い、冥い響きが、海鳴りが、波の音が、潮騒が、
あ、きこえる、きこえる。
「や、君は此処に何をしているの。」
左手の脚柱の暗い投影の中に、濃い鼠の潮じみ雨じみた角錐形の天幕が一つ、その中に、これも鼠の頭巾附きの汚れ破れた雨外套をかぶって、誰やらごろ寝していた。
テントの中のカンテラの灯、血のような豆の灯。
「夜番しているのです。盗まれるといけないから。