Japanische Klassiker mit Furigana
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フレップ・トリップ
フレップ・トリップ
北原 白秋
Lesen Sie フレップ・トリップ von 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.698 Zeichen · 293 Bildschirme
うなずいて目礼して。ただ言葉が通じないかと思ったので、ただ黙って笑って見せた。向うでもきさくに笑って見せた。
川沿いの窓際にはやはり明るい草花の鉢を置いてあった。その硝子戸の外にも紅玉葵や黄蜀葵が咲き盛っていた。
外庭に向った一つの窓の前のテーブルには何か白いきれが拡げられてあった。洗って乾かした洗濯物らしかった。中婆が横向きに木の椅子に腰かけて、何か継ぎ剥ぎしていた。これも明るい頭巾をかぶっていた。二人ともよく肥っていた。
極めて簡素であった。
奥寄りの壁際には、これもお粗末な木のベッドが寄せてあった。薄紅色の浮織りのクッション、白い蒲団のカバー。
それだけ、
や、まだあった、白い笠の電球。
麦粉は黄色く、そうして白く輝いた。
饐えかかったトマトのにおいがした。
茶の赤い牡鶏が一羽戸口から這入って来た。閑かなその呼びごえ。
私たちは目礼して外へ出た。
二人のお婆さんはそれまで何一つ言をいうでなかった。だが、温かな親しさと、幼ない桃色の上気と、軽るい好奇心と何かの反射的亢奮とが彼女たちに見えた。
牛舎は空であった。主人が牽いて出たらしかった。
雨あがりの朝の光線が、今度ははっきりと穀物小舎の屋根の影を地上に映した。