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Japanische Klassiker mit Furigana

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フレップ・トリップ

フレップ・トリップ

北原 白秋

Lesen Sie フレップ・トリップ von 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.698 Zeichen · 293 Bildschirme

Aozora Bunko

まだ接待の準備もつかないらしく、若い酌婦風の女が一人二人、風に吹かれて、対岸の遠いポプラや白樺のかがやきを見入っていた。真夏とはいっても何かしら寂しい秋口の朝の光であった。まだ一行の誰もが来て休んではいなかった。

「姐さん、お茶はまだですか。」

私は他のように白樺の皮を剥ぎに行ったり、ざんざめいて歩き廻ったりするのが臆劫であった。

「おほほ、もうじきですよ。」

と、女のひとりは襷をかけた。

河の水は一面にちらちらしていた。利根川のように洋々たる大河であった。オロチョンギリヤーク土人の独木舟の競漕がおっつけ花火が揚ると初まる手筈であった。それから一行の誰彼がどやどやとはいって来た。オロチョン人の手製に成った馴鹿の鞣の鞄や、財布――それは太い色糸で不細工に稚拙に装飾してあった――白樺の皮鍋、アイヌの厚司模様のついた菅の手提げ、それに玩具の橇や独木舟などを彼らはてんでに買い込んで来た。それを見ると急に私も欲しくなったのでまた引返して、売れ残りの鞄の一つをどうにか探し出した。馴鹿の臭みがして小汚くて、赤と黄との図案があまりにけばけばして、子供でもない自分が肩から引掛けるのは些か気がさしたが、そこはそれ旅の気安さであった。