Japanische Klassiker mit Furigana
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フレップ・トリップ
フレップ・トリップ
北原 白秋
Lesen Sie フレップ・トリップ von 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.698 Zeichen · 293 Bildschirme
海のはてから呼んでます。
どうせ、ぬか星、北の海、
おおいおおいで日が暮れる。
と、一斉に燈が点く。ジャランジャランと銅鑼が鳴る。
*
煌々たる食堂。それが却って明る過ぎて、何か今夜は堅苦しい。誰でもが緊張して、以前とは様子が違っている。それは、札幌鉄道局の役人たちと、小樽からの新来客の二人とが加わったための、やや油に水をそそいだ気配もあったかも知れぬ。その人たちにとっても初めての晩餐ではあり、そうそう寛げもし得ないであろう。それに一同の郷愁である。とはゆかなくとも、近づいて来る目的地への期待と何とない或種の武者ぶるいもある。
ここで、この一等船客の食堂について、多少の説明をして置こう。先ず食器棚の両方の入口からはいると、奥の正面にはピアノが一台装飾的に据えてある。ピアノの上にはどす黒いラジオの喇叭が載っている。その室内には白いテエブルクロースを掛けた食卓が三列に流れ、中央のにはピアノを背にして船長が腰かける。船長はいかにも穏かな温顔の人で、先ずは無口に近い。やや前跼みでいつも黙々としてナイフとフオクとを使っている。それに向って事務長が末座に位置する。