Japanische Klassiker mit Furigana
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フレップ・トリップ
フレップ・トリップ
北原 白秋
Lesen Sie フレップ・トリップ von 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.698 Zeichen · 293 Bildschirme
浪の音。
*
「おや、車輛会社はどうした。」
と、私は南洋植物の青縞の葉の下を透かした。
「や、行去した。オートバイででん逃げ出えたそな。」
「P公、P公、や、彼奴も行去たかな。」
「車輛会社にゃかなわん。護謨輪でん何でんチャアンと持っとる。はっはっは。」
「おや、吉植もいないじゃないか。寝たかな。」
「寝ましたくさい。弱っとらした。」
「弱るなア、僕も、寝ようかな。」
「でけん、でけん。行たて見まっしゅう。まだ誰か起きとるか知れん。」
「ぐうぐう鼾かいとったというじゃないか。」
「うん、あん時ゃぐうぐう云よった。ばってんが、もう誰か醒めとろ。車輛会社もパンクしとらすか知れんくさい。行たて見う行たて見う。」
「行ってもいい。だが、ちょっと待ちたまえ。」
私ももうかなりに酔っていた。ふらふらする足取りで、隔ての青いカーテンを寄せると、いわゆる王様の大きい寝台に近づいて見た。この寝室は全く広くて贅沢な、それで清々しいいい室である。向うは浴室との戸になっていて、その横の壁にマホガニー色の装飾を凝らした鏡附きの古風な化粧台があって、それに相当の空間を置いて、相対した壁に洋銀のダブルベッドが備えつけられ、それには前面と裾とに卵色の薄いカーテンが掛っている。