Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうひんよっつ
中勘助随筆集
中 勘助
Lesen Sie 中勘助随筆集 (しょうひんよっつ) von 中 勘助 (なかかんすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.694 Zeichen · 32 Bildschirme
私がせいせいとして新にかえられた水に游ぶ魚のように呼吸をしてるところへ△△さんが洗面器に湯をもってくる。そして幾たびも手拭をしぼってわたす。それをうけとって丁寧に顔や頸筋、耳のなかなどに残った夜の粘りをとったのち最後に両手を、指を一本ずつ克明にふいて手拭をかえす。と、それをさげた△△さんはかわりに朝の食事をもってくる。
きょうは蜂蜜をたべた。砂糖は配給、葡萄糖はさがしてもなし、蜂蜜はこのあいだ姉にたべさせようと思って方々たずねたがどこにも品切れだったのであきらめてたところほかの買物にいった誰かが思いがけぬ店で見つけてきた。私は元来甘党でないにかかわらず病気のせいかしきりに甘いものがほしい。この文字どおりの天然の甘露は砂糖とちがって胃にもたれることがなく、砂にしみる水みたいに吸収されて五体の養いとなるいみじくも貴いものである。どういう訳か我我日本人は従来ほとんどこれを賞美しなかったけれど、あの横縞の仕事著をきた翅のある採集者たちが四角八面に飛びまわってここの山陰、かしこの野原、花園や果樹林に咲き乱れたいろいろな花からたんねんに汲みとって運びかえったこんじきの甘露、これを甜めて蝗をたべてたとすれば古のユダヤの予言者は決して粗食だったとはいえないであろう。