Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼしぞう
久生十蘭短篇選
久生 十蘭
Lesen Sie 久生十蘭短篇選 (ぼしぞう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.344 Zeichen · 96 Bildschirme
ひとのことはどうでもいいとして、ひょっくりどこかで出逢いでもしたら、死ぬほど嫌っている木津さんに、またうるさく追いかけまわされることになるでしょう」と、まア説いてきかせると、志貴子のやつ、含み笑いをして、じつは昨夜、木津さんに見つかってしまったらしいというじゃありませんの……お話中……お話中ですよ……あたしのおどろきっちゃなかったわ。どきっとして、息がとまったくらい……こうなのよ。「昨夜、麻布に用があって行った帰り、一本道の横通りでバッタリと木津さんと顔が合うてしまいましてん。こら、えらいこっちゃ思うて、いきなり駆けだすと、木津さん、どこまでも追うて来やはるやありませんの。駆けっこなら自信があるんですけど、木津さん、コンパス長うて、すぐに追いついてしまはりますねん。どないしようと思いながら、なんたらいうお寺さんの前までゆくと、門脇の潜戸が開いてますのんで、とっつきの、枳殻の生垣をまわした墓石のうしろにしゃがんで息ィついていたら、木津さん、そこへドサドサ入ってきやはって、墓石の向う側に棒立ちになって、大目玉むいてギョロギョロしてはるさかい、もうあかんと、観念しましてん。