Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかりとかぜとゆめ
光と風と夢
Lesen Sie 光と風と夢 (ひかりとかぜとゆめ) von Nakajima Atsushi (中島 敦) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.032 Zeichen · 158 Bildschirme
神のあやつる交響楽の中で
俺は調子の外れた弦ではないのか?
夜八時、すっかり元気になった。ウィア・オヴ・ハーミストンの今迄書溜めた分を読みかえす。悪くない。悪くないどころか!
今朝はどうかしていたんだ。俺が下らない文学者だと? 思想がうすっぺらだの、哲学が無いのと、言い度い奴は勝手に言うがいい。要するに、文学は技術だ。概念で以て俺を軽蔑する奴も、実際に俺の作品を読んで見れば、文句なしに魅せられるに決ってるんだ。俺は俺の作品の愛読者だ。書いている時は、すっかり、厭な気持になり、こんなものの何処に価値があるか、と思える時でも、翌日読返して見れば、俺は必ず俺の作品の魅力にとらわれて了う。仕立屋が衣服を裁つ技術に自信を有つように、俺は、ものを描く技術に自信を有っていいのだ。お前の書くものに、そんなに詰まらないものが出来る筈はないのだ。安心しろ! R・L・S・!
十一月××日
真の芸術は(仮令、ルソーのそれの如きものではなくとも、何等かの形で)自己告白でなければならぬという議論を、雑誌で読んだ。色々な事を言う人があるものだ。自分の恋人ののろけ話と、自分の子供の自慢話と、(もう一つ、昨夜見た夢の話と)――当人には面白かろうが、他人にとって之くらい詰まらぬ莫迦げたものがあるだろうか?