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Japanische Klassiker mit Furigana

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いりむこじゅうまんりょう

入婿十万両

山本 周五郎

Lesen Sie 入婿十万両 (いりむこじゅうまんりょう) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.650 Zeichen · 22 Bildschirme

Aozora Bunko

四

城を退出して、途中飛脚問屋へ立寄った浅二郎が、屋敷へ帰ろうとしてお徒士町まで来ると、後から大声に、

「待て、冬瓜侍ちょっと待て」

と呼ぶ声がした。

――また家中の若い奴等だな。

と思ったから、聞えぬ風をして行くと、大股に追ってきて背後からぐいと肩を掴んだ。

「待てと云うに貴様聾か!」

「どなたでござる」

振返ると果して、槇島五郎兵衛、市田銀造、それと松井総助と云う、名うての乱暴者三人である。浅二郎は肩を掴んだ五郎兵衛の手を静かに押除けて、

「これはお揃いでいずれへ」「何をぬかすっ」

五郎兵衛が喚きたてた。

四

「あんな大声で呼んだのに空っ惚けた真似をするな、この礼儀知らずの素町人め」「大層御立腹ですな」

「こいつ……落着いたことを――」

酒臭い息を吹きながら、五郎兵衛いきなり胸倉を取ろうとする。浅二郎は軽く躱して、

「お危のうござる」「うぬ、手向いするか」

酔っているから無法だ、拳を挙げて殴りかかる、浅二郎上体を捻ってその拳を避けると、肱のところを掴んで逆に捻上げた。

「む! こ、こいつ――」「小癪な事をする、斬ってしまえ」

松井総助が喚くと、酔ったまぎれに半分は威しで大剣を抜いた。