Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

いりむこじゅうまんりょう

入婿十万両

山本 周五郎

Lesen Sie 入婿十万両 (いりむこじゅうまんりょう) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.650 Zeichen · 22 Bildschirme

Aozora Bunko

「は、恐れながら、あれを御覧くださりませ」

浅二郎はそう云って、広庭の方を指さした。高信はじめ三名が見ると、――泉水の畔に木箱が五つ山、高々と積上げてある。

「見馴れぬ物だが、何じゃ」

「御改革に入用の金十万両、御蔵入れ前に御披露申上げまする」

「なに、――十万両、とな」

高信も靱負も、山城も玄蕃も、あっと云ったきりしばらくは二の句が継げなかった。窮迫し尽して必至の場合に、天から降ったような黄金十万両、――正に夢のようである。

「浅二郎!」

高信は向直った、「かかる巨額の金を、疲弊した藩政より捻出するというは考えられぬ、これにはなんぞ仔細があろう、訳を聞かせい」

「恐入りまするお言葉、私より言上仕るは憚りに存じまするゆえ、御家譜のうち慶長十五年七月八日の条を御覧くださいまするよう、必ず御了解遊ばすことと存じまする」

「さようか、すぐに披見しよう」

「金十万両にては充分と申す訳には参りませぬが、一応は善後の処置がつこうかと存ぜられまする、――就きましては」

と浅二郎は御改革調書を差出して、

「これに、――御藩政の内改廃すべき箇条を調べ上げ、僭越ながら愚案を認めおきましたれば、御老職に於て御検討御取捨のうえ十万両の配分よろしくお願い申上げまする、――半月足らずの早急の調べにて、もとより首尾整いませぬが、多少ともお役に立ちますれ