Japanische Klassiker mit Furigana
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まんじ
卍
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 卍 (まんじ) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.618 Zeichen · 258 Bildschirme
いわれるのん嫌か?」いいなさって、「頼むさかい『姉ちゃん』いわして! あて、人のいる時きっときっと気イつけるよって!」いうてなさったのんですが、とうどそこで出てしもたのんです。そんで光子さんが帰ってしまいなさってから、夫も私も奥歯に物挟まったような工合でした。そいからその明くる日の夕方、晩御飯たべたあとで、「僕、どうもこの頃のお前の素振腑に落ちんねんけど、何ぞ訳あるのん違うか」いうて、ふと思いついたように尋ンねますのんで、「腑に落ちんてどういう工合に? うち、自分で一向気イつかんけど」いうてやりますと、「お前、あの光子いう児とえらい仲ええようやけど、一体あの児どない思てんねん?」いうのんです。「うち、光子さん大好きやわ、そやよって仲好うしてんねんわ。」「好きは分ってる、どういう意味で好きやねん?」「好きいうことは感情やもん、理由やかいあれへんわ。」――わたし、弱み見せたらいかん思て、故意に挑戦的に出てやりましたのんで、「そうお前みたいにぽんぽんいわんと、もっと落ち着いて分るように話したらええやないか」いうて、「好きにもいろいろの意味があるし、――学校でそんな噂あったりしたんやさかい――誤解受けたらためにならん思うよって尋ンねてんねん」