Japanische Klassiker mit Furigana
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げんばくししゅう
原爆詩集
峠 三吉
Lesen Sie 原爆詩集 (げんばくししゅう) von 峠 三吉 (とうげさんきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.927 Zeichen · 43 Bildschirme
風の
くらいくらい 息のできぬところで
(ああいったいどんなわるいいたずらをしたというのだ)
やわらかい手が
ちいさな頚が
石や鉄や古い材木の下で血を噴き
どんなにたやすくつぶれたことか
比治山のかげで
眼をお饅頭のように焼かれた友だちの列が
おろおろしゃがみ
走ってゆく帯剣のひびきに
へいたいさん助けて!と呼んだときにも
君たちにこたえるものはなく
暮れてゆく水槽のそばで
つれてって!と
西の方をゆびさしたときも
だれも手をひいてはくれなかった
そして見まねで水槽につかり
いちじくの葉っぱを顔にのせ
なんにもわからぬそのままに
死んでいった
きみたちよ
リンゴも匂わない
アメダマもしゃぶれない
とおいところへいってしまった君たち
〈ほしがりません……
かつまでは〉といわせたのは
いったいだれだったのだ!
「斉美小学校戦災児童の霊」
だまって立っている君たちの
その不思議そうな瞳に
にいさんや父さんがしがみつかされていた野砲が
赤錆びてころがり
クローバの窪みで
外国の兵隊と女のひとが
ねそべっているのが見えるこの道の角
向うの原っぱに
高くあたらしい塀をめぐらした拘置所の方へ