Japanische Klassiker mit Furigana
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げんばくししゅう
原爆詩集
峠 三吉
Lesen Sie 原爆詩集 (げんばくししゅう) von 峠 三吉 (とうげさんきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.927 Zeichen · 43 Bildschirme
5
のたうち消えた四十万きょうだいの一人として
君は死ぬる、〉
きみはそのとき思ったろうか
幼いころのどぶぞいのひまわりの花を
母さんの年に一度の半襟の香を
戦争がひどくなってからの妹のおねだりを
倉庫のかげで友達とつけては拭いた口紅を
はきたかった花模様のスカートを、
そして思いもしたろうか
此のなつかしい広島の、広場につづく道がやがてひろげられ
マッカーサー道路と名づけられ
並木の柳に外国兵に体を売る日本女のネッカチーフが
ひらひらからんで通るときがくるのを、
そしてまた思い嘆きもしたろうか
原子爆弾を落さずとも
戦争はどうせ終っただろうにと、
いいえどうしてそのように考えることが出来よう
生き残っている人々でさえ
まだまだ知らぬ意味がある、
原爆二号が長崎に落されたのは
ソヴェート軍が満州の国境を南にむけて
越えつつあった朝だったこと
数年あとで原爆三号が使われようとした時も
ねらわれたのはやはり
顔の黄色い人種の上だったということも、
5
ああそれは偶然ではない、天災ではない
人類最初の原爆は
緻密な計画とあくない野望の意志によって
東洋の列島、日本民族の上に
閃光一閃投下され