Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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げんばくししゅう

原爆詩集

峠 三吉

Lesen Sie 原爆詩集 (げんばくししゅう) von 峠 三吉 (とうげさんきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.927 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

町の親戚へ遊びにやって

がたつく家の戸に鍵をかけ

動員の自分の職場へ

今日も慣れぬ仕事に叱られに出た、

君は黙って途中まで足早に来た、

何かの気配でうつ伏せたとき

閃光は真うしろから君を搏ち

埃煙がおさまり意識が返ると

それでも工場へ辿りつこうと

逃げてくる人々の波を潜り此処まで来て仆れた

この出来事の判断も自分の中に畳みこみ

そのまま素直に眼を閉じた、

少女の思いのそのなかで

そのとき何がたしかめられよう

その懸命な頭の中で、どうして原子爆弾が計られよう

その手は未来にあこがれながら地に落ちた小鳥のように

手首をまげて地上にひろげられ

その膝は

こんなところにころがるのが、さも恥しいというように

きちんと合せてちぢめられ

おさげに編んだ髪だけが

アスファルトの上に乱れて、

もの心ついてから戦争の間で育ち

つつましくおさえられて来たのぞみの虹も焼けはて

生き、働いていることが殊さら人に気づかれぬほどの

やさしい存在が

地上いちばんむごたらしい方法で

いまここに 殺される、

〈ああそれは偶然ではない、天災ではない

世界最初の原子爆弾は正確無比な計画と

あくない野望の意志によって

日本列島の上、広島、長崎をえらんで投下され