Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme

Aozora Bunko

たまらねえことになりやがったね。さあ、忙しいぞ! さあ、忙しいぞ! ちくしょうめ! うれしすぎて目がくらみゃがった。ええと、何から先にしたらいいのかな。駕籠ですかい! おひろいですかい! 雪駄ですかい! お羽織ですかい! ね! ちょっと! かなわねえな。やけに黙って、どこへ行くんですかよ。――ね! ちょっと! なんとかおっしゃいましよ!」

だが、もう声はないのです。事ここにいたれば、じつにもうみごとなむっつり右門でした。源氏車の右門好みに例の巻き羽織。蝋色鞘を長目にずいと落として差して、黙々さっそうとしながら出ていった方角がまたじつに右門流なのです。当然日本橋から先に探って須田町湯島下と、七つの捨て駕籠を順々に追いながら見調べていくだろうと思われたのに、ひんやりとえり首に冷たい朝風を縫いながら、すいすいとやっていったところは、意外や土橋ご門の方角なのでした。さればこそ、やかまし屋の、おこり上戸の伝六が、たちまちまたふぐのようにほおをふくらましたのは無理のないことです。

「やりきれねえな。これだから何年いっしょにいても、だんなにばかりは芯からは気が許せねえんだ。