Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme
「行く先ゃ忍ガ岡の天海寺だ。急いでやりな」
今の寛永寺なのです、東叡山寛永寺というただいまの勅号は、このときより少しくあとの慶安年中に賜わったものですから、当時は開山天海僧正の名をとって、俗に天海寺と呼びならしていた徳川由緒のその名刹目ざして、さっと駕籠をあげさせました。
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むろんのことに肝をつぶしたのは、わが親愛かぎりなき伝あにいです。およそめんくらったとみえて、ごくりごくりといたずらになまつばをのみながら、あのうるさいあにいがすっかり黙り込んで、目をさらのようにみはったきりでした。無理もない。僧正天海が将軍家お声がかりによって建立したその天海寺の中に、十手を必要とすべき下手人がいるとするなら、これはじつにゆゆしき一大事だったからです。
だが、名人はまことになんともいいようもなく物静かでした。三橋のところで乗り物をすてながら、さっさと伽藍わきの僧房へやって行くと、案内の請い方というものがまたなんともかともいいようもなく古風のうえに、いいようもなく大前でした。
「頼もう、頼もう」
「どうれ」
相手もまた古風に応じて、見るからに青やかな納所坊主がそこに手をついたのを見ながめると、ずばりといったことばが少しおかしいのです。