Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme
伝六を伴ってずかずかとはいっていったところは、最初の夜に伏せ網を張って待ちぼけ食わされた、あの三ツ又稲荷の境内奥の、しんちんとぶきみに鬼気迫るほこらのうしろです。
一刻! 二刻! そして四半刻――。
「足音だッ。聞こえますぜ。だんな!」
伝六のささやいた声とともに、ほんのり薄明るい星空下の境内の広庭へ、にょきにょきと黒い姿を現わしたのは、はかま、大小、忍び雪駄の藩士が三人。
「よッ。今夜は多いね」
「黙ってろ」
しかりつつ様子やいかにと息を殺しながら見守っている名人のその一、二間ばかり先へ、くだんの三人はひたひたと歩みよると、なかのひとりが懐中から取り出したのは、まぎれもなくのろいの祈りのわら人形でした。――せつな! 濃いやみの木立ちの中から、ウシッ、ウシッというかすかな声が聞こえたかと思うやほえ声もあげず、うなり声もたてずに、疾風のごとく飛び出してきたのは、精悍このうえないまっくろな猛犬でした。と、見えるや同時です。人形出してのろい打ちに取りかかっている三人のうちのひとりののど首目ざしつつ、ぱっと虚空に身をおどらしたかと思うやいなや、がぶりとかみつきました。