Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme

Aozora Bunko

ここへ来たからにゃ、お蘭しごきもここで染めあげたにちげえねえとおにらみなすってのことでしょうね」

「決まってらあ、江戸紫が紅徳か、紅徳が江戸紫かといわれているほどの名をとった老舗なんだ。加賀百万石の御用染め屋で、お蘭が加州家奥勤めのお腰元だったら、しごきもここが染め元と眼をつけるなあたりまえじゃねえかよ。むっつりしてはおっても、やることはいつだってもこのとおり筋道が通っているんだ、気をつけな」

「ちげえねえ!――おやじ、おやじ、紅屋のおやじ! おまえもちっと気をつけな。むっつり右門のだんなが詮議の筋あって、わざわざのお越しなんだ。気をつけてものをいわねえと首が飛ぶぞッ」

「は……? なんでござんす? やにわとおしかりでございますが、てまえが何をしたんでござんす?」

びっくりしたのは紅屋徳兵衛です。そこの店先にすわって、商売物のもう用済みになったらしい染め型紙をあんどんの灯ざしにすかしてはながめ、ながめてはすかしつつ、一枚一枚と余念もなく見しらべていたところへ、ああいえばこういって口ばかりはけっして抜からぬ伝六、いっこうに筋道の通らぬどなり声が不意に飛んでいったので、不審げに目をみはりながらふり向いたその顔へ、名人の声が静かに襲いました。