Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme

Aozora Bunko

しなくも目に映ったのは、群衆の向こうの桜の小陰から半身をのぞかせて、怪しく目を光らせながら様子を見守っていた年若い町人の姿です。いや、町人づくりの、のっぺりとしたその男の姿が目にはいったばかりではない、下手人が行くのです、行くのです。奪いとったしごきを懐中にして、必死とお山同心の追撃をさけながら、桜の陰の怪しの町人目ざしつつ逃げ走っていく姿が矢のごとく目を射抜きました。同時です。

「狂ったな。おどし文の文句のぐあいじゃ、まさしく二本差しのしわざとにらんでおったが、春先ゃやっぱり眼も狂うとみえらあ。しごきぬすっとの元締めさんは、ちゃちな青造さんだよ。やっこを押えりゃいいんだ。ぽかんとしていねえで、ついてきなよ」

すいすいと足を早めた名人の姿を知って、ぎょっとなりながら逃げ隠れようとしたが、しかしすでにおそい。ぱらぱらと駆け集まっていく手をふさいだのは、お山同心の一隊です。

「神妙にしろッ」

押えとったところへ、

「ご苦労にござる」

ずういと歩みよると、おちついた声でした。

「それなる町人、ちょうだいいたしとうござるが、いかがでござろう」

「なにッ。尊公は何者じゃッ」