Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme

Aozora Bunko

待っているからね、ゆっくり急いでおいでなせえよ」

花のふぶきをひらひら浴びて、小降りの雨にしっぽりぬれて、花びら散り敷く道を山下めがけていっさん走りでした。

4

しかし、そろえて待っていたその二丁の駕籠に乗ると同時です。けたたましく伝六が音をあげました。

「だんな、だんな、今ごろになって出りゃがった。変な野郎が、ちょこちょことつけだしましたぜ!」

「ほほう。案の定新芽が出たか。いずれはちゃちな野郎だろうが、念のために首実検しようかい」

おどろきもせず、たれのあわいからのぞいてみると、これが早い、――年のころは三十七、八、町人づくり。雨の中を長ぞうりはいて着流しのくせに、ちょこちょこと二十間ばかりのあとから、じつに足が早いのです。

「まず町飛脚という見当かな。黒幕はたしかに二本差しにちげえねえが、あんなやつまで手先に使って、上野へ来たことまでかぎつけて、この山下に張り込んでいたところを見ると椋鳥ゃおおぜいさんかもしれねえや。かまわねえから、ほっときな」

「だ、だいじょうぶですかい」

「いま騒ぎだしゃ、えさがなくなるじゃねえかよ。草香流が節鳴りしてるんだ。