Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme
見ると老人は五十五、六。左耳下にこぶがあるからには、まさしくそれが泥斎にちがいない。しかし、しいんとおちついてなんのうろたえも見せないのです。そのうえ、どことはなく人品骨柄に渋みがあって鍛えられたところがあって、寂び冴えすらもがたたえられて、さすがは名取りの焼き人形師と思われる名工ぶりでした。
隣にうずくまっているのは二十五、六。弟子か?――いや、そうではない。どことはなし泥斎に面ざしの似通ったところがあるのを見ると、まさしくせがれにちがいないのです。しかも、これが何を恐れているのか、ひた向きにさしうつむいて、五体のうちにもあきらかな震えが見えるのでした。
「ウフフ。ちとにおいだしたぞ。泥斎、親子であろうな」
「…………」
「なぜ、はきはき答えぬか! せがれでなくば甥であろうが、どちらじゃ」
「甥ではござりませぬ」
「ひねったことを申すのう。甥でないゆえせがれじゃと申したつもりか。せがれならばせがれと、すなおに申せ!――せがれ! 名はなんというか!」
「名、名は……」
「名はなんというか!」
「粂、粂五郎と申します……」
「ひとり身か!」
「ま、まだ家内を迎えませぬ……」