Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme
いいつつ、あちらこちらとたなからたなへ見ながめていたその目に、はしなくも映ったのは、ひときわできばえのすぐれた三体の人形です。珍しいことに、その三体が三体共に、ただひと色のじつにすっきりしたいやみのない群青色でした。
しかし、よくよく見比べると、三体の焼きぐあい、色付けの仕上がり、細工のできばえに、あきらかな優劣が見えるのです。右がいちばん上でき、まんなかがそれにつづき、左端のがもっともふできでした。
「こぶ泥、いや、泥斎」
「はッ」
「いい焼き色だな。この三体はだれの作かい」
「てまえとせがれと弥七郎とで、それぞれ一体ずつ、この正月の初焼きにこしらえたものでござります」
「いちばん左はだれの作かい」
「せがれでござります」
「まんなかは?」
「てまえの作でござります」
「ほほう、そうかい。とすると、右端が弥七郎の作だな」
「さようでござります」
「おかしなこともあればあるものだ。ちょっと拝見するかな」
仕事に精進していないといったはずの弥七郎の作が、師泥斎をもしのぐできばえに不審をうって、いぶかりながら手にとりあげて台じりを返して見ると、なるほど彫りがある。泥斎門人弥七郎作、という焼き彫りの銘が、無言のなぞを秘めながら刻まれてあるのです。