Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme
た。
「この巻き羽織見たら八丁堀衆ってことがわかるはずだ。嵐三左衛門の寝泊まりしていた座敷へ案内せい」
小女に導かれながらどんどんはいっていって、ひょいとその座敷の中を見ると、いかさまそこにある品々は一つ残らず、いまだにかわききらぬ水びたしになっているのです。しかも、へやにはまゆげの跡の青いくにゃくにゃとした若い男が汗みどろになって、せっせと荷造りを急いでいるさいちゅうでした。
「あっ、あの――」
不意の訪れにどぎまぎしながら、言いよどんだのを、いつものあのぎろりと光る鋭いまなこです。じいっと上から下へ見ながめていましたが、静かにさえた名人のことばが飛んでいきました。
「弟子だな」
「へえい、あいすみませぬ」
「なにもあやまることはない。師匠は、三左衛門は小屋のほうか」
「へえい、朝の四ツから幕があきますんで、もうとうに楽屋入りしたんでござります」
「荷造りしているところをみると、今晩もまたどこかへ宿替えしようというんだな」
「へえい、こう毎晩毎晩じゃ、命がちぢまるさかい、今夜からお師匠はんもわてたちといっしょに楽屋で寝よういいなはるよって、荷ごしらえしているのでござります」