Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme

Aozora Bunko

「ね……?」

「…………」

「箱根から東へはお化けも河童も出ねえってことに相場が決まってるんだが、なにしろお盆がちけえんだからね。怨霊のやつめ、三途の川で見当まちげえやがって、お門違いのおひざもとへ迷ってきやがったかもしれませんぜ。ええ、そうですよ。そうですとも! たしかに、こりゃだれかの怨霊のしわざにちげえねえんですよ。そうでなくちゃ、だれにこんな気味のわるいまねができるもんですか」

「…………」

「ええ、そうですよ。そうですとも! いくら江戸屋の江戸五郎が水芸達者のけれん師であったにしても、舞台と地とでは場所が違うんだからね。伊賀甲賀の忍術までも使えるはずがねえんだ。ええ、そうですとも! それにちげえねえんだ。ひょっとすると、こりゃ三左衛門の肩にでもくっついてきた上方怨霊にちげえねえんですぜ」

そろそろと伝六がお株をはじめてさえずりだしたのを、名人はあごをなでなでしきりとあちらこちら見捜していましたが、と――そのときはしなくも目についたものは、へやのすみに置かれてある二枚折りびょうぶの裏側のすそ下のほうに、ぷつりと浅く刺さっている平打ちのなまめかしい銀かんざしです。