Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme
、江戸桃源の春風に乗って舞い込みました。しかもそれが、またよりによって三月の三日、すなわちおひな祭りの当日なのです。いうまでもなく太陰暦ですから、桃の節句の桃も咲いているであろうし、桜はもとより満開……
しかし、事ご番所の公務となると、犯罪は地震と同様、いつなんどき、どこから揺れてくるかわからないので、夢まどろにいつものごとく控え室に陣取りながら、うつらうつらとあごの下に手の運動をつづけていると、今いったそのなまめかしい朱ぶさの文筥が、とつぜん内藤駿河守のお下屋敷から届きました。あまつさえ、中に書いてある文言が、たいそうもなくよろしくないのです。
「取り急ぎひと筆しめしまいらせそろ。いまだお目もじつかまつらずそうらえども、ご高名はつとに拝承、ぜひにもお力借りたき大事出来そうろうまま、すぐさまご入来願わしく、他行お名ざしのことなぞ上辺の首尾については、当方より人をもってご奉行職に申しあげおくべくそうろうあいだ、右お含みおしのびにてご光来わずらわしたく、万事はお目もじのうえにて、あらあらかしこ」
書き出しのひと筆しめしまいらせそろというあたり、結句のおしのびにてうんぬんかしこといったあたり、春情春意おのずから整って、いかな君子人が読んだにしても、そのなまめかしさ、いろめかしさ、あきらかに差し出し人は女性である