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Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme

Aozora Bunko

しかも、原因のその雛がまた尋常一様の雛人形ではないのだ。因縁の雛、恋の思い雛、行く末かけてと七つの年から誓い祭り飾りつづけた契りのしるしの片雛であるうえに、あまつさえすり替えられた真物は、天下三宝の一つと名を取ったゆゆしき名品なのです――。これでは考えざるをえない。考えまいとしても考え込まざるをえない。どこから知恵のふたをあけて、この容易ならざるなぞを解いていったらいいか? 黙々沈々、石のごとく冷静に、おしのごとくおし黙りながら、長い間まなこをとじて考えつづけていましたが、そろり、そろりとあの手があのあごのあたりへ散歩を始めたかと思われたせつな! なぞを解くべき銀のかぎが見つかったとみえて、美しく静かな微笑がのぼると、いともたのもしいことばが漏れました。

「なに、それほども心配したことはござりますまいよ。しばらくこのにせものの雛をご拝借願いましょうかな。では、またのちほど――」

こわきにするや、すうと表へ。――表がまた憎らしいくらいな桃びよりです。見るもの、きくもの、うらうらとうららかににおやかな春でした……。

2

だから、伝六がことごとくもうぽうッとなって、待っていましたといわぬばかりに、たちまち千鳴り太鼓を鳴らしはじめたのはあたりまえです。