Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme

Aozora Bunko

――どの傷もどの傷も、ぐいとひと欠けに欠けて、使った得物はどうやら金づちらしく、しかもところきらわずめったやたらにぶちこわしているところを見ると、ただのいたずらだったら格別、もし故意にやったことならば、遺恨のもとがなんであるにしろ、下手人はまた何者であるにしろ、まさしくこれを人目にさらして、この六地蔵菩薩と、その寄進者を恥ずかしめようという目的のもとに行なわれた暴行にちがいないのです。

「ウフフ。手がかりは何もない。落とし物もなに一つない。あるものはおつむにのっかっている古わらじばかりだとすると、頼みの綱はおいらの知恵蔵一つだ。――干そうぜ!」

「え……?」

「おまえにいってるんじゃねえ。まだちっと季節に早いが、早手回しに知恵蔵の虫干ししようかと、おいら、おいらに相談しているんだ。――珍念さん」

「はい。朝のお斎いただかずに駆けだしてまいりましたゆえ、少しおなかがひもじゅうなりました」

「おきのどくにのう。もうこれでご用済みになるゆえ、はよう帰ってたんといただきなさいよ。そなたのお寺はどこでござる?」

「興照寺ならば、あの……あの、あれでござります。あそこの火の見やぐらの向こうに見える高いお屋根がそうでござります」