Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme
一真寺のお説教を聞きに来た日本橋のご隠居さんたちが買いきりの船なんだ。二文三文の安お客を乗せる渡しじゃねえんですよ」
「なんでえ、なんでえ。二文三文の安お客たア、どなたにいうんでえ。腰の十手がわからねえか! お上御用でお乗りあそばすんだ。向こうっ岸までとっとと出しなよ!」
飛び乗って、ギーギーと急がせながらこぎつけたところは、大川を横堀へはいった興照寺のちょうどその裏手でした。ちらりと見ると、岸にのぞんだ大きな柳の陰に、だれを乗せてきたのか、だれを待っているのか、こざっぱりとした伝馬が一艘やはりつながれてあって、六十がらみの日にやけた船頭が、ぷかりぷかりとのどかになた豆ギセルから紫の煙を吐いているのです。あがりぎわに何心なくひょいとその船の中をのぞいてみると、いともなまめかしい品がある。大がらのはでな座ぶとんが一枚、そばにはまたさらになまめかしい朱ぬりの箱まくらが置かれてあって、その上に朱羅宇が一本、タバコ盆が一個。乗り手の主こそ見えないが、いずれもそれらはひと目にそれと、使用の客の容易ならぬあだ者であることをじゅうぶんに物語っている品々ばかりなのでした。