Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme
――しかも、その包み紙には、ぷーんと強い線香のにおいがある。
「ほんとうににおってきやがった。酒だるを見せてもらおうかね」
さかさにかしげて、何をするかと思われたのに、ぽつりと一滴受けたところは不思議にも親指のつめの上でした。――じりっとたまったかと見るまに、ぱっとそのしずくが散りひろがりました。
せつなです。
「毒だ。まさしく、毒薬を仕込んだ酒だよ」
「はてね、気味が悪いようだが、そんなことで毒酒の見分けがつくんですかい」
「ついたからこそ、毒が仕込んであるといったじゃねえかよ。どうまちがっておまえもお将軍さまのお毒味役に出世しねえともかぎらねえんだからね、よく覚えておくといいよ。つめにたまって散りもせず、かわきもしない酒なら毒のない証拠、今のようにしずくをはじいてしまったら、すなわち毒を仕込んである証拠と、昔から相場が決まってるんだ。――おきのどくだが、眼がついたぜ」
「え! フフ、ついたんですかい! ちくしょうめッ。ぞうっと背中が寒くなるほどうれしくなりやがったね。どっちですかい、鼻欠け地蔵のほうですかい、それとも、こっちの死骸の眼ですかい」
「両方よ」