Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あいこくしんわたしはこうおもう

和人は舟を食う

知里 真志保

Lesen Sie 和人は舟を食う (あいこくしんわたしはこうおもう) von 知里 真志保 (ちりましほ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 70.567 Zeichen · 144 Bildschirme

Aozora Bunko

叔父はあちこち見やって誰もいないのをたしかめると、おれに向ってこう言った――

「これ、わしのかわい甥よ、おまえこの穴から先に入ってみなさい。わしもすぐ追っかけて行くから……」

後から追っかけて来るなんて、どうせうそにきまっていると思ったが、勇気をふるい起しておれは穴の中へ入って行った。穴はどこまでも長く続いていて、おれの行く手が明るくなると後が暗くなり、後が明るくなると行く手が暗くなる、という状態をくりかえしながら見て行くと、とつぜん思いもかけない美しい村に出た。

見れば海はひろびろと凪ぎわたっている。沖には弁財船が岩礁のように浮んでいて、そこと岸辺の間を荷揚げの小舟が行ったり来たりしている。その岸辺にはおびただしい家数を持った村が展開していて、奥の家々は森の中にまぎれこみ、前の家々は海にまでせり出して来ている。村はずれに大きな川がしらじらと光っていて、何の魚であろうか、下方の群を川底の砂がこすり、上方の群を日光がこがしている。村へ入ろうとする所に大きな土饅頭、小さな土饅頭が重なりあうように列をなして並んでいる。そのそばに男の墓標女の墓標が林立している。