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Japanische Klassiker mit Furigana

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よせ

圓太郎馬車 正岡容寄席小説集

正岡 容

Lesen Sie 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.226 Zeichen · 295 Bildschirme

Aozora Bunko

立ち止まって振り向くと半鐘泥棒のようなヒョロヒョロと青い顔の男が、追い駆けてきていた。

鉄ぶちの眼鏡をかけて昔はリーダーの一冊くらい齧ったような顔をしていて、古びた紺絣の上下、羽織の紐の代りに今にも切れそうな観世縒を結んでいた。

「君、君、ほんとに君は攘夷一座へ入る気なのか」

立ち停るとすくその男は言った。

「エエ、私入ってみたいと思うんですが」

相手の鉄ぶち眼鏡を見上げた。

「よしたらいいだろうそれは」

ズケリと鉄ぶちは言った。

「どうしてです」

不足そうに、今松は訊ねた。

「君が入ってくりゃすぐペストにさせられる。可哀想に身体がもたんよ」

「へ?」

「いやペストにさせらるから駄目だてんだよ」

「ペスト? だってお宅ペストの予防劇じゃないんですか、お宅の一座」

「そうさ」

「そこへ入ってペストに罹るなんて」

「いや、罹りはしないさ。罹りはしないがほんとのペストじゃない。つまりペストの役にさせられるから可哀想だてんだ、君が」

「そんなことア構いません」

「いや、構う」

「どうしてです」

また不平そうに相手を睨んだ。

「いいか。君がペストの役になるとだねえ。大詰めにこいつがペストだ、それなぐれ、それ叩け、それぶちのめせって、ひどい目にあわされてしまう。