Japanische Klassiker mit Furigana
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Lesen Sie 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.226 Zeichen · 295 Bildschirme
牛肉はちっとばかりうまいようだが、あの葱を「ねぶか」と言やがる。白根草の価なにほどなるやとたらちめのお嫁さんみたいなことを言わないだけがめっけもんだ。
それに牛鍋へぶち込む砂糖。
ザラメって奴で、こいつもへんに悪甘くって鍋ン中でなかなか溶けない。
刺身の醤油に濃口てのがあって、いやに味噌みたいにドロドロしてやがる。
それもいやなら、これもいや。
見るもの、口にするもの、片っ端から小癪に障って今松は、つくづく上方は住みにくい、やっぱり生まれ故郷の東京がいいと思わざるをえなかった。
今さらにして東京の寄席、東京の食べ物の上がしみじみ恋しく慕わしくなってきた。
ただ、お酒。
お酒だけは、上方がよかった。
これは美味しいにもなんにも、てんでひと口、口をつけてみて舌触りが違った。トロッとこう甘いものが舌いっぱいにひろがっていったなんとも言えないその芳醇さ。
東京のお酒なんか、てんで足もとへもなんにも寄りつけなかった。八幡太郎と番太郎くらいのちがいが、まさに歴然とそこにあった。
こんなにもお酒って美味しいものだったのだろうか。こんなにも一日一日の暮らしの疲れをサッパリと洗い落して、明日の元気を助けてくれるものだったのだろうか。