Japanische Klassiker mit Furigana
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Lesen Sie 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.226 Zeichen · 295 Bildschirme
の爺さんに逃げられた時分、ホトホト自分の境涯に愛想を尽かしてしまい、もう落語家はやめようかと相談にいったときも、二人して苦しかろうがもうすこし辛抱をおしなさい、必ずお前さんは末の見込みがあるからと思い止まらせてくれたくらいの私のひいきだったのです。それゆえ、こちらも恩返しにそののち私が看板を上げてからは死ぬまでこの二人に前へ出ていてもらいましたが)。
やかましやの師匠燕枝がほめてくれたと聞き、それはまんざらうれしくないことはありませんでしたが、じつはほんとうのことを言うと、もうそのとき私はそんなことをすっかりアテにしなくなってしまっていました。十年一日――曇りの次は雨、雨の次は雪また嵐と年がら年中この繰り返しで、ほんとに日の目ひとつ見たことのない私は、なまじはじめの出が華やかだっただけに今ではすっかり心もちが怯んで腐りきってしまっていたのです。
ほんとかなあ、そんな。信じられないなあ、なんだか。年枝さんは俺がひいきだからそんなことを言って俺をよろこばしてるんだ。
ただそうとのみ考えて、形だけのお辞儀だけはしながらも格別うれしそうな顔も見せず、それよりもひさしぶりの牛肉のほうがうれしくってムシャムシャ片っ端からたいらげていた始末でした。