Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちきゅうはっきょうじけん

地球発狂事件

海野 十三

Lesen Sie 地球発狂事件 (ちきゅうはっきょうじけん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.306 Zeichen · 173 Bildschirme

Aozora Bunko

「若旦那さま。持参いたしました。これでよろしゅうございますか」

「うん、待てよ、忘れものがあってはたいへんだ」

登山の身支度半ばのドレゴは、ガロの持っている盆のまわりをまわって必要品を調べる。ガロはドレゴの登山服に目を留め、

「若旦那さま、ヘルナー山にお登りかと存じますが、御承知のとおり只今の気候は登山によろしくございませんで……」

「爺や、危険を顧みている隙はないのだよ。切迫した事情があるんだ。そしてそれは僕を一躍世界の寵児にしてくれるかもしれないのだ。お前が僕だったら、こんな千載一遇の機会をのがすかね」

「はい。それは……しかし一体あの雪崩の峰に如何たる幸運が隠されているのでございますか。爺やは合点が参りませぬ」

「お前だって、一目見れば分るよ。窓のところへ行ってヘルナーの峰を見てごらん。疑問はたちどころに氷解するだろう」

「何と仰せられます」

爺やは窓のところへ歩みよったがそのときドレゴは、爺やに盆を下に置いてからそうするよう注意すべきだった。気のついたときは遅かった。霊峰へ目をやった爺やは、ああああっと長い叫び声を発すると、その場に卒倒してしまった。