Japanische Klassiker mit Furigana
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ちきゅうはっきょうじけん
地球発狂事件
海野 十三
Lesen Sie 地球発狂事件 (ちきゅうはっきょうじけん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.306 Zeichen · 173 Bildschirme
「うん、すばらしい名称を考え出すよ」
ドレゴは、すっかり機嫌を直して、燃える巨船の船尾の方へ駆け出して行った。
煙が、意地悪く船尾の方へなびいているので、そこについているはずの船名は、そのままで読みとれなかった。これには困ってしまった。
が、彼はこのままで引下がることは出来なかった。何かよい工夫はないかと、頭脳を絞ってみたが、不図思付いて、彼はすこし後退すると雪塊を掘っては岩陰へ搬んだ。そしてかなり溜った上で、今度はそれを掴んで矢つぎ早に船尾を蔽う煙に向って投げつけた。
これは思い懸けなくいい方法だった。煙はこの雪礫に遭って、動揺を始め、或る箇所では薄れた。それに力を得て、ドレゴは更にその方法をつづけ、そして遂に朧なる船名を判定することに成功したのであった。
ゼムリヤ号。
これがこの怪しき巨船の名であった。一体どこの国の船であろうか。それを知りたいと思って、なおもしばらく雪礫で煙を払ってみたが、それは成功しなかった。船腹には国籍の文字もなく、船旗も信号旗も悉く焼け落ちていたからである。
それからこの事件の名称だ。
ドレゴは、水戸の待っている場所まで戻る間に、この事件のためにすばらしい名称を思付くことを祈念した。