Japanische Klassiker mit Furigana
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ちきゅうはっきょうじけん
地球発狂事件
海野 十三
Lesen Sie 地球発狂事件 (ちきゅうはっきょうじけん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.306 Zeichen · 173 Bildschirme
彼は北へ走りだした快速貨物船の甲板に立って、小さくなり行くワーナー調査隊の船団の姿を永いこと見送っていた。やがてその船団は水平線の彼方に没し、檣だけがしばらく見えていたが、遂にそれも波間に見えずなった。ドレゴは溜息と共に甲板を去り、サロンに入って酒を注文した。
それから彼は呑みつづけた。昼も夜もアルコールの漬物みたいになって、ひとりでわけのわからぬことを口走っていた。彼は水戸をどうしてあそこへ置去りにしたのか、それについて良心が咎めて仕方がなかった。そして、親友水戸の上に何か恐ろしい魔物の爪がのびかかっているように思えてならなかった。彼はその不吉な幻影を追払おうとして益々盃の度を重ねていった。
さすがに酒に強い彼も、その日の深更に至って遂に倒れ、ボーイたちによって船室へかつぎこまれた。泥のような熟睡に、彼は一切を知らないで約半日を過ごした。
彼が目を覚まして、甲板へ出て来たのは、翌日の正午に近かった。
海の色も空の模様も、もうすっかり様子が変わり、西北の季節風が氷のような冷たさを含んで船橋のあたりから吹き下ろしてくるのだった。彼はぶるぶると慄えて、上衣の襟を立てた。