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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちきゅうはっきょうじけん

地球発狂事件

海野 十三

Lesen Sie 地球発狂事件 (ちきゅうはっきょうじけん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.306 Zeichen · 173 Bildschirme

Aozora Bunko

ドレゴははげしく昂進してくる自分の心臓に気がつき、吃驚して胸を抑えた。

解決のつかないままに、船はオルタ港口を入ってしまった。

ドレゴは、長いオーバーの胸にアスパラガスの小さい枝を挿し遊歩甲板に立って、全身の注意力を埠頭の方へ向けた。彼の眼にはパアサーから借りた六倍の双眼鏡があてられていた。

船が大きく曲線航跡を描いて七面鳥桟橋へ横付けになる用意の姿勢に移った。埠頭に群れ集まる数百人の男女の群が、はっきりと双眼鏡の奥に吸い込まれた、いろんな顔が重なっている、ドレゴは、早鐘のように打ちだした自分の心臓を気にしながら、美しい若い女性の顔を探し始めた、花束をその顔と一緒に並べているところの……。

「これはたいへんだ」

ドレゴは呻った、というわけは花束を抱えている若い女性の数があまりにも多かったから、誰も彼も、美人という美人は花束を持っていたのだ。ドレゴは勇気を鼓して、その美しい顔を丹念に拾っていった。だがどれ一つとして、自分の心当たりのそれがなかった、何遍くりかえして見ても、同じだった。

「ふむ、すばらしいぞ。これは、新しいロマンスの開幕だ」

この夥しい女性のどれが、自分の胸に香りのいい頭髪を押しつけるであろうか、そう思うと、彼は船を乗り越えてざんぶりと海中に飛入り、桟橋までクロオルで泳ぎつきたい衝動に駆られた。