Japanische Klassiker mit Furigana
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やまとじ・しなのじ
大和路・信濃路
堀 辰雄
Lesen Sie 大和路・信濃路 (やまとじ・しなのじ) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 58.165 Zeichen · 115 Bildschirme
――一方、火葬や風葬などというものが流行ってきて、彼等のあいだには死というものに対する考えかたがぐっと変って来ました。それがどういう段階をなして変っていったかということが、万葉集などを見ているとよく分かるような気もちがします。……
たとえば、巻二にある人麻呂の挽歌。――自分のひそかに通っていた軽の村の愛人が急に死んだ後、或る日いたたまれないように、その軽の村に来てひとりで懊悩する、そのおりの挽歌でありますが、その長歌が「……軽の市にわが立ち聞けば、たまだすき畝傍の山に鳴く鳥の声も聞えず。たまぼこの道行く人も、ひとりだに似るが行かねば、すべをなみ、妹が名呼びて袖ぞ振りつる」と終わると、それがこういう二首の反歌でおさめられてあります。
秋山の黄葉を茂み迷はせる妹を求めむ山路知らずも
もみぢ葉の散りゆくなべにたまづさの使を見れば逢ひし日思ほゆ
丁度、晩秋であったのでありましょう。彼がそうやって懊悩しながら、軽の村をさまよっていますと、おりから黄葉がしきりと散っております。ふと見上げてみると、山という山がすっかり美しく黄葉している。それらの山のなかに彼の愛人も葬られているのにちがいないが、それはどこいらであろうか。