Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme
「わたしはこうして血を絞ってお経を書いていました、もし、わたしの身体がここから腐っていいのなら、わたしはもう、この血でお経を書きません、書きかけたお経は反古にしてしまいます、この血で歌を書いてしまいます。あなた、お経を書いた方がいいでしょうか、それとも、歌を書いた方がいいでしょうか。お経の有難味は、わたしにはまだ本当にわかりませんけれど、歌の面白味はどうやらわかっていますから、いっそお経をやめて、歌にしてしまいたいのです。信心をはじめて途中でよすと、二倍の祟りがあるということを、よく世間で言いますから、せっかく血で書きかけたお経をやめてしまえば、怖ろしい祟りがあるでしょう。法盛んなれば魔もまた盛んなりと何かの本に書いてありました、人が善心を起すと、きっと悪魔が片一方から妨げに来るそうです。この針の折れたのは、悪魔の仕業にちがいないと思います、悪魔が針の形に化けて、お経を書くわたしの手の中に食い入りました。これが取れなければ、いくらお経を書いても駄目なんでしょう。もし抜けるものならこの針を抜いて下さいまし、わたしの身体が、悪魔のために腐ってゆくことがおいやならば、この針を抜いて下さいまし。