Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme
うなり通しにうなって、その合間に、
「坊主を呼べ、あのお喋り坊主は癪にさわる小坊主だ、戸惑いをした売卜者のようなよまいごとを喋るのが癇に触ってたまらん、あれをここへ連れて来て、眼の前で締め殺してくれ、こうして寝ていても、あいつの姿が目ざわりになり、あいつの言い草が耳ざわりになってたまらん」
主膳は噛んで吐き出すように、こう言って罵ります。
「大将、あの小坊主は井戸へ落っこってお陀仏ですぜ、死んでしまいましたぜ」
福村が、言いくるめようとすると、主膳は承知しません。
「なあに、死んでしまうものか、あいつは生きて土蔵の中に助けられているのだ、誰か、あの小坊主をここへつれて来て、拙者の眼の前で締め殺してくれ、それでないと拙者の怪我は癒らん」
福村は、当惑しながら、
「冗談じゃねえ、坊主は、疾うに井戸の底に往生しているんだ、小坊主の死霊に悩まされるなんて、大将にも似合わねえ」
それでも主膳は承知しません。どこまでも小坊主が助けられて、土蔵の中にいるものと思い込んで、彼をそこへ引いて来て締め殺せ、締め殺せと繰返すその有様は、あの小坊主の生命を眼の前で断たなければ、自分の命が危ないものと思い込んでいるようです。