Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme

Aozora Bunko

外では存外、落着いた声でこう言いました。よし、ここまで来れば仕方がない、まかり間違ったら二三人は叩き倒して逃げてやろうと米友は、足場と逃げ路を見つくろっておいて、例の手槍を拾い上げ、片手でガラリと雨戸を押し開きました。

「誰だい」

「わたくしでございます」

「お前さん一人か」

「エエ、一人でございます、御免下さいまし」

その女は、男のような風をして、お高祖頭巾をすっぽりと被っておりました。

いったい、なんにしても人の家へ上るのに、頭巾を取らないで上るというはずはありません。

女は、このまま失礼と断わったものの、座敷へ通っても、やはり頭巾を取ろうとはしないで、

「お前さんが、米友さん?」

こう言って、かなり鷹揚な態度でありました。

「そうだよ」

米友は、極めて無愛想に返事をしました。

「お前さんの噂は、お君から聞いておりました」

お君、お君、と自分の家来でも呼び棄てるように言うのが心外でした。それよりもお君の友達だから、やはり自分も家来筋か何かのように話しかけるのが、米友には心外でした。

「ふん、それがどうしたんだ」

「お前さんは怒りっぽい人だということを聞きました、それでも大へん正直な人だということを聞きました」