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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme

Aozora Bunko

それでも、人の噂には、あれは辻斬ではなかろうということでございます、辻斬ならば、スッパリと抜打ちかなにかにやるんでしょうけれど、あの花魁のは抉ってあるんだそうですから、何か遺恨があって、つまり恋の恨みだろうと言って、専らの評判でございますよ」

「いや、いや、そんな話は、もうよしましょう、今時、まだ恋の恨みで人を殺すような男があるのか知ら」

「そりゃ、ありますともさ、いつになっても、この道ばかりは別でございますからね」

按摩がうっかりこんなことを言った時に、面がダラリと伸びて、口が耳まで裂けたようでしたから、この部屋にいる人が、みんなゾッとしました。

そこへ、白い羽二重を首に巻いて、十徳を着た、坊主頭の、かなりの年配な、品のよい人が不意に姿を現わし、障子をあける音もなしに入って来たから、眼の見えない按摩のほかは、新造も禿も一度に狼狽して、

「御前様、ようこそ」

と言って手をつきました。無論、当の花魁の大隅も、按摩をやめさせて居ずまいを直したものです。

ところが、どうでしょう、一度に狼狽して敬意を表した部屋中の人々が、

「おやおや」

と言って面を見合わせたが、その面は、いずれも土のようになっていました。