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Japanische Klassiker mit Furigana

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てんしゅかくのおと

天主閣の音

国枝 史郎

Lesen Sie 天主閣の音 (てんしゅかくのおと) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.941 Zeichen · 79 Bildschirme

Aozora Bunko

……ところで屋敷の裏庭にあたって、石灯籠が一基ある。こいつが只の石灯籠じゃあねえ。嘘だと思うなら証拠を見せる。おおお立合い、誰でもいい、鳥渡台笠へ障ってくんな。遠慮はいらねえ障ったり障ったり」

群集の中に職人がいたが「おお親方俺が障るぜ」

云い乍ら腕をグイと延ばし、灯籠の台笠へ指を触れた。途端に轟然たる音がして、石灯籠の頂上から、一道の烽火が立ち上り、春日怡々たる長閑の空へ、十間あまり黄煙を引いた。

あまりの意外に群集は、ワッと叫んで後へ退ったが、これは驚くのが当然であろう。

群集の中に立ち雑り、香具師の様子に眼を付けていた。尾張中納言宗春は、此時スタスタと歩き出したが、境内中門の前まで来ると、ピタリとばかり足を止めた。

「九兵衛、九兵衛!」と侍臣を呼んだ。

近習頭の小林九兵衛は「はっ」と云うと一礼した。

「其方、あの香具師を何んと思うな?」

「は、どうやら怪しい人間に……」

「うむ、些、怪しい節がある。築城術の心得があり、しかも火術にも達しているらしい」

「いかがでござりましょう、縛め取りましては?」九兵衛は顔色をうかがった。

「いやいや待て待て考えがある。