Japanische Klassiker mit Furigana
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てんしゅかくのおと
天主閣の音
国枝 史郎
Lesen Sie 天主閣の音 (てんしゅかくのおと) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.941 Zeichen · 79 Bildschirme
わざわざ長崎の唐人から、伝授をされて造った物だ。仇や疎かに思っちゃ不可ねえ。……尤も見るだけじゃお代は取らねえ。見るは法楽聞くも法楽! だからとっくり見て行ってくんな。但し気に入った建築があって、買いたいというなら代は取る。そうして代価は仲々高え! 驚いちゃ不可ねえ一個百両だ! そりゃあ然うだろう屋敷を買うんだからな。それも素晴しい屋敷なのだからな! ……何、なんだって! 高いって? アッハハハ然うかも知れねえ。百両と云やあ大金だ。大道商売の相場じゃねえ。よし来た夫れじゃ負ける事にしよう。それも気前よく負けてやる。一個一両とは是どうだ! 負けも負けたり大負けだ。百両から一両に下ったんだからな。この辺が大道の商売だ。平几張面の商人にや、しようと云ったって出来る事じゃねえ。え、何んだって未高いって? 冗談じゃあねえ驚いたなあ。一両でも高いって云うのかい? 屋敷一個が一両だぜ。一両の屋敷ってあるものか! 堀立小屋を建てた所で、一両ぐらいは直ぐかからあ。それが何うだ御屋敷なんだぜ。門があってよ玄関があって、母屋があって離座敷があり、泉水築山があるんじゃねえか! そうさ尤も模型だから這入って住むことは出来ねえが、そいつあ何うも仕方がねえ。