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Japanische Klassiker mit Furigana

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きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.739 Zeichen · 23 Bildschirme

Aozora Bunko

六

僕は漸く起ち上った。明日は此処を出発して東京へ向う筈だ。が、奥羽線を真っ直ぐに行っては面白くない。三十七年前彼女と二人で辿ったコースを通って、秋田から逆に青森へ出て盛岡から上野へ向う積りだ。そして小牛田の駅で下車して、僕達はあの駅前の宿屋で一夜を明かすだろう、そして僕は今でもプラトニックであり度いと念願して居る。いずれ又。

六

いずれ又――とあり乍ら、これが藤波金三郎の最後の消息だったのです。

小牛田の宿屋へ六十歳の恋人達が泊ったことは事実らしいのですが、それから先は、二人共煙の如く消息を絶ってしまったのです。Sはその頃役目の用事で外国へ出張しなければならなかったので、藤波金三郎の行方を調べる仕事を、新聞社と連絡のあった私に委ねて行きました。

が、藤波金三郎とお染――六十歳の恋人達の行方は、それっきりわかりません。新聞社の秋田支局、仙台の支局、小牛田の通報員などに頼んで、手の及ぶ限り捜してもらいましたが、小牛田の駅前の宿屋に、その夜そんな老人の恋人達は泊って居らず、秋田の在にも、心当りの老婆は住んで居なかったのです。

どうかしたら、二人の老人達は、其儘ブラジルへ行ってしまったか、それともそっと太平洋にでも身を沈めたか、そんな事も考えられない事はありませんが、それよりも確実性のあるのは、お染婆さんの夫という