Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.161 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

それは今となっては、かえって取返しのつかぬ禍になってしまった。その人間は私の同情を裏切って、自分の罪を永久に隠しおわせるために、私の毒殺を計画し、着々実行を進めていることが、今――肝臓に致命的な傷害を受けてから始めて発見されたのだ。

それは実に恐ろしい言葉でした。鈴子夫人を始め、一座は固唾を呑んで聴き入るばかり。

「よそう、それは死に際の老人の幻想では無いか、そんな言葉のために、善良な人は、どんな迷惑をするかわからない」

一座のうちに、たった一人そう言った者があります。一同の眼はその人の顔に注がれました。それは森川森之助の真っ蒼な顔ですが、今となっては、最早取合う者もなく、レコードは宿命的な速さで、相変らず語り続けます。

――その悪人は今私の最愛の妻鈴子を迷わそうとしている。鈴子は純潔で聡明な女だが、惜しいことにまだ年が若過ぎる為に、悪人の無道残虐な本心を見抜くことが出来ず、その悪人は私の遺産の一千万円を狙っているとも気が付かず、悪人の若さと弁才と、その美青年振りに惑わされて、危い淵の上を歩んでいる。私は鈴子をとがめる意志は毛頭無く、死んだ後の財産など素よりどうなっても構わないが、その悪人には既に妻があり、鈴子を欺いて二重結婚をし、私から譲られた財産を横取りしようと企らんでいることは眼に見えるようだ。