Japanische Klassiker mit Furigana
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こうげいのみち
工芸の道
柳 宗悦
Lesen Sie 工芸の道 (こうげいのみち) von 柳 宗悦 (やなぎむねよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 166.103 Zeichen · 336 Bildschirme
否、器なき所に吾が家はない。器を愛する者は家に帰ることを好む。器はよき家庭を結ぶ。
ここは峻厳とか崇高とか、遠きに仰ぐ世界ではない。ここは密な親しげな領域である。されば工藝は情趣の世界、滋潤とか親和とかがその心である。味わいとか、趣きとか、潤いとか、円味とか、温味とか、柔かさとか、これらが器の美につれて繰り返される言葉である。器は人を情趣の境に誘う。風韻とか雅致とか、これは工藝が齎らす美徳である。人々はいかにこれらの境に入って、心を沈め行いを洗い得たであろう。しばしば人はその美に遊ぶ。かかる境をこそ「遊戯」とは云うのであろう。よき器は周囲を醇化する。人々は気づかずとも、いかに工藝の花に、生活の園生が彩られているであろう。そうしていかに荒みがちな人々の心が、それらによって柔らげられているであろう。もし器の美がなかったら、世は早くも蕪雑な世に化したであろう。心は殺伐に流れたであろう。器の美なき世は住みにくき世である。今の世が焦つのは、器が醜くなったからではないであろうか。温かさなくば、心は枯れる。潤いなき家を見よ、寒そうではないか。情なき人を見よ、冷たいではないか。